第36話

『魔王ベルフェモン復活』


「ズバリ答えましょう。世界征服です」

今の時代に、これほどストレートに男のロマンを語る悪役がいようとは。
世界征服!なんと聞こえのいい言葉か!
やっぱり、「僕達はこうするしかないんだ」とか、「なんでわかってくれないんだ」とかぐだぐだやってる敵よりも、こういうはっきりした物言いの悪役の方が見てて面白いなあ。本人がノリノリで実に楽しそうに邪悪の限りを尽くすのもいい。倒し甲斐があるというものだ。


まあ、それも次回までの命のようですが。
一番大事なベルフェモンの制御装置を新参者に作らせちゃいかんだろ倉田。
ハッピーになりすぎていて気が回らなかったんだろうなあ。
そして、リリーナの病気は自分が必ず治す、というトーマの「覚悟」を読みきれなかったというところか。


トーマの父親とトーマとのやりとり、たとえ娘のリリーナがどんな姿になろうとも、生きていてさえくれれば、というのは実に親の業みたいなものを感じさせてくれる。イクトの両親もそうだったが、理屈では割り切れない親子肉親の情、というのはこのデジモンセイバーズを貫くひとつのテーマなんだろうなあ。