黒歴史ノート


ちょっと探し物をして押入れをあさっていたら、「らくがきちょう」と殴り書きされたノートが出てきた。
なんというか、黒歴史ノートだ。
多分10年以上前、ひょっとしたら高校時代に使っていたものかもしれない。
以下に内容を記す。


パンダが空を飛ぶような日の夜は、雨が降る。
俺は、ばあさんが二度目の遺言の時に言ったせりふを思い出していた。
そういえば、三度目の遺言を残してから、三ヶ月ほど経つ。
そろそろだろう。
前にあっちの世界から帰ってきたのも、逝ってから三ヵ月半後だった。


と、俺の横で、17、8の女の子がダンプカーにはねられ、回転レシーブの体勢から起き上がって運ちゃんに文句をつけている。
タフな嬢ちゃんだ。
空を、レッサーパンダが飛んでいた。
その夜、街は、静かに泣いた。


朝、俺はロクでもない気分だった。
洗濯物を、入れ忘れていたのだ。
びしょびしょのパンツを見ながら、俺は気分が重くなるのを自覚した。
下手をすると、キノコが生えてくるかもしれない。
俺は、キノコが嫌いだった。


この頃から、私の頭の中身はあまり変っていないようだ。